部門のご紹介

臨床検査部

急性期医療の現場や健診などにおけるさまざまな検査を通じて、医療の現場と皆さまの健康を支えています。

挨拶 部長 高柳 由佳

 臨床検査部は、高度な急性期医療の提供を目的とし、脳外科領域の疾患や心臓疾患あるいは消化器領域の疾患に対する検査を実施しています。外来患者様や入院患者様には神経生理検査や超音波検査、心電図検査、睡眠時無呼吸検査などの生理検査を行っています。さらに、三大疾病予防のため様々な内容の健診事業を行っています。
*各検査項目については下表をご覧ください。

今後はさらに専門性の高い検査に対応出来るよう、日々進歩する検査技術の習得に努め、健診事業での検査においても、受診者様が安心してかかれる、また地域の皆様にも気軽に受けられるよう、いつも明るい笑顔で対応していきたいと思います。 臨床検査技師ひとりひとりが明るく親切をモットーに皆様に信頼していただけるよう、これからも検査技術の向上に努力して参ります。

臨床検査部基本方針
  • 1.専門的知識、技術の向上に努め、総合的検査ができる人材育成を図ります。
  • 2.救急・地域医療に貢献する臨床検査部を目指します。
  • 3.コミュニケーションをとり、チームワークの良い思いやりのある職場を目指します。

臨床検査とは

 体に異常をきたすと、身体は様々なシグナルを出します。
例えば心筋梗塞を起こすと、血液中のある成分(CK,AST,LDHなど)が上昇したり、心エコー検査では梗塞部位の動きの低下を見つけることができます。私達はこのような身体のシグナルを早期発見するために検査を行っています。検査には血液や尿、便などを調べたりする検体検査と人体に直接働きかけその反応をみる生理機能検査があります。これらの検査で得た情報を医師に提供し役立ててもらうのが私たち臨床検査技師の仕事です。

心電図検査

 心電図検査の目的は、心臓の動きを電気的な波形に現して記録し、それによって心臓の状況を把握することです。特に、心臓の活動の異常によってあらわれる不整脈の診断には不可欠の検査です。
私たちの体の手足や胸部に電極を付け、心臓の活動によって発生する微弱な活動電流の電位差をキャッチし、その変化を波形として記録し、その乱れから病気の兆候を読み取ろうとするのが心電図検査です。心臓の疾患に関する検査の中では比較的簡単に行えるものであることから、病気発見の第一の手がかりとしてよく用いられます。

検査項目

心電図(ECG)

心臓の電気的活動により脈の不整、心筋梗塞や狭心症の有無を調べる検査です。
検査時間:5分程度

※注意事項
検査時は手首、足首、胸に媒体を装着するので、ブラジャーやストッキングなどの装着物は外してください。


負荷心電図

心筋での酸素需要を高め、心筋の虚血(心筋に酸素が十分供給されない状態)を意図的に誘発し、異常の有無を調べる検査です。
検査時間:10分〜20分

※注意事項
・運動中に胸の痛みなどを感じたら、すぐに申し出てください。

加算平均心電図

通常の心電図では記録できない、心臓内で生じる微少な電位を記録する検査です。心筋梗塞や心筋症などの病気で、心筋が傷ついたり、炎症や変性が起こることで、その部位の刺激が伝わりにくく(伝導遅延)なることで、重症心室性不整脈を起こすことがあります。その予知や評価に有効な検査です。

検査時間:15〜20分

※注意事項
・脈が遅い方や不整脈の有無によって加算に時間がかかってしまうことがあるため、検査時間は異なります。

ホルター心電図

心電図を24時間記録する検査です。
長時間にわたって検査するので、通常の心電図では検出できない日常における不整脈や心筋虚血などを見ることが出来ます。

※注意事項
・入浴やシャワーは出来ません。
・電気毛布や電気敷布は使用できません。
・行動記録用紙に24時間の行動や症状を記録してください。


超音波検査

 音(超音波)は、まっすぐに進み障害物に当たるとはね返ってきます。その性質が、「やまびこ」に似ていることより「エコー検査」と呼ばれるようになりました。 エコーは、数MHz~十数MHzの超音波を使って体の中の病気を調べる検査です。 エコー検査は、肝臓・胆道・膵臓・腎臓といったお腹の中の臓器全般から、心臓や血管・乳腺・甲状腺など、肺や気体のある部分と骨の奥以外の検査をすることができます。また、超音波は、お腹の赤ちゃんにも使えるほど体に影響がなく無害です。

検査項目

心エコー

心臓に超音波を当てることでリアルタイムに心臓の断面像を映し出し、心臓の形や大きさ、動きなどをみて異常がないかどうかを発見する検査です。
検査時間:30分

※注意事項
・検査にかかる時間が長いのであらかじめトイレは済ませてください。


血管エコー

<頸動脈・四肢の動脈など>
頸部を走り、脳を栄養する血管に超音波を当てて、詰まりがないか、細くなっていないかなどをみます。動脈硬化や脳梗塞などの危険性を調べる為に行われます。
検査時間:20分

※注意事項
・首のところを検査するので、首周りがゆったりした服を着てくると楽です。
・ネックレスなどは外してください。


表在エコー

<甲状腺・乳腺など>
首から鎖骨にかけて検査し、甲状腺の大きさと腫瘤などがないかを検査していきます。
検査時間:5〜10分

※注意事項
・食事制限はありません
・ネックレスなどは外してください
・首周りがゆったりした服を着て来院していただきます
・電気毛布や電気敷布は使用できません
・行動記録用紙に24時間の行動や症状を記録してください


腹部エコー

組織の組成によってそれぞれ基本的なパターンがありますが、腫瘍、ポリープ、炎症、結石などは周囲の正常な組織と組成が異なるため、超音波画像では、正常な組織との境界にコントラストが生じます。そのコントラストから、医師は異常が生じていることを見つけます。
検査時間:10〜20分

※注意事項
・絶食の状態で行ないます
・膀胱を検査する場合は尿がたまっているほうが詳しく観察できるので、検査前の排尿は我慢するようにします


血管検査

頸動脈エコーを始めとして、下肢動静脈エコーや腎動脈エコーなど、全身の動脈硬化病変、静脈血栓を中心とした血管疾患の早期発見に努めています。

検査項目

血管エコー

<頸動脈、四肢の動脈など>

頸部を走り、脳を栄養する血管に超音波を当てて、詰まりがないか、細くなっていないかなどをみます。

動脈硬化や脳梗塞などの危険性を調べる為に行われています。

検査時間:20分

※注意事項
・首のところを検査するので、首周りがゆったりした服を着てくると楽です。
・ネックレスなどは外してください。

足関節上腕血圧比(ABI)

足の動脈の詰まりや動脈硬化(硬くなってきていないか)を調べる検査です。両腕と両足の血圧を測ります。

検査時間:10分

※注意事項
・腕と足首に血圧を測るカフを装着します。上半身やズボンの下に、厚手の服や下着を着けている場合は脱いでいただきます。

皮膚灌流圧検査(SPP)

皮膚表面の血行動態(血流)を調べる検査です。足のいろいろな部分を検査することができるので、より細かく血流の低下を調べることができます。また、創がある場合には、創が治りやすいかを血流の面から判断することもできます。

検査時間:40〜60分

※注意事項
・測定中は安静にし、身体を動かしたり、しゃべったりしないで下さい。
・身体が動くと測定できない、あるいはカフの加圧が強まり、検査時間が長引くことがあります。

眼底検査

眼の奥の網膜、血管(小静脈、小動脈、毛細血管)、視神経乳頭の状態を調べる検査です。

検査時間:5分

※注意事項
・検査時に眼鏡、コンタクトレンズは外してください。
・撮影時のフラッシュが眩しいですが、痛みはありません。

神経生理検査

 脳波検査、神経伝導検査などをまとめ、臨床神経生理検査と呼びます。その理由は、これらの検査が全て神経活動に伴う微細な電気現象を検出する点にあります。
当院では主に脳波検査(EEG)聴性脳幹反応(ABR)体性感覚誘発電位(SEP)誘発筋電図(EMG)を主に行っております。

検査項目

脳波(EEG)

脳の電気的活動を頭につけた電極から記録し、脳の機能が低下していないかをみる検査です。電極というのでビリビリすると思う方もいるかもしれませんが、脳の放つ電気を記録するだけなので、そのようなことはありません。
検査時間:40分

※注意事項
・ピアスなどの装飾品は外してください
・検査中は頭に力を入れずリラックスしてください
・検査中は目を閉じていてもらうのですが、寝ないようにしてください。


誘発電位(ABR/SEP)

身体に刺激(音、電気刺激)を与えて脳の反応を見る検査(ABR,SEP)と、身体に刺激(電気刺激)を与えて筋肉や、神経の反応をみる検査があります。これらの検査によって脳、神経、筋肉の異常を発見します。
検査時間:30分

※注意事項
・電気刺激では若干の痛みを伴います。
・全身の力を抜いてリラックスして検査を受けてください。
・検査時間が長いのでトイレは検査前にすませてください。


誘発筋電図(EMG)

間接的に皮膚表面上から知覚神経あるいは運動神経に電気刺激を加え、それに対する反応をみる。それら末梢神経の伝導時間から経路の違いなどを知る。

※注意事項
・電気刺激では若干の痛みを伴います。

肺機能検査

息を吸ったり吐いたりすることで、肺の容積、気道の閉塞や換気障害を診断する上で行われ、また手術前のスクリーニング目的としても検査を行っています。

検査項目

  • 肺活量(VC)
  • 努力性肺活量(FVC)
  • 機能性残気量(FRC)
  • 肺拡散能(DLco)

睡眠時無呼吸検査

当院では睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndorome:SAS)の検査を行っています。

自宅で寝る前に鼻と指先に簡単な検査装置をつけて寝ていただく簡易検査があり、無呼吸や低呼吸の重症度がわかります。

SASの確定診断にはPSG検査(ポリソムノグラフィー)が必須であり、脳波、呼吸状態、眼球の動き等を測定することで睡眠の段階、覚醒反応の有無などの睡眠状態をより細かく解析し、分類していきます。

以下の症状はありませんか?

  • 1.日中の傾眠
  • 2.睡眠中に無呼吸を指摘されることがある
  • 3.夜トイレに何度も起きる
  • 4.不眠症
  • 5.起床時の頭痛

気になる症状があればお気軽にお問い合わせください。

病理検査

当院では主に脳腫瘍の手術中にテレパソロジーを行っており、旭川医科大学病院と連携して迅速に脳腫瘍の診断を行っています。また手術中に腫瘍の一部を用い標本を作製し、その標本の顕微鏡下の画像を通信を介して、腫瘍の悪性度等を診断してもらっています。

実績

当法人の臨床検査部は、臨床検査技師20名が超音波検査、心電図検査などの生理検査業務を行っています
当科では、カンファレンス、院内勉強会、ミーティングを行い、スタッフ間・施設間のコミュニケーションをはかり情報を共有しています。
また学会発表や講習会へ積極的に参加し、検査技術の向上に努めております。

今後も質の高い信頼出来る医療の提供に貢献出来る様、取り組んでいきたいと思っております。

取得資格
  • 臨床検査技師
  • 超音波検査士(循環器領域)
  • 血管診療技師(CVT)
所属学会
  • 日本臨床衛生検査技師会
  • 日本超音波検査学会
  • 日本神経生理検査研究会
  • 日本臨床生理学会
  • 日本心エコー図学会
  • 日本乳腺甲状腺超音波診断会議
  • 日本脳神経超音波学会
学会発表
  • 日本病院脳神経外科学会
  • 日本医学検査学会
  • 北海道医学検査学会
  • 日本心エコー図学会
検査実施件数
  釧路孝仁会記念病院 釧路孝仁会リハビリテーション病院 釧路脳神経外科
  H22 H23 H24 H22 H23 H24 H22 H23 H24
心電図 13,506 15,163 14,681 4,049 4,271 4,101 554 556 1,015
負荷心電図 138 198 117 138 107 78 - - -
Holter心電図 1,642 1,635 1493 683 696 683 38 18 15
脳波 219 214 134 181 188 134 562 504 517
神経伝導検査 148 182 102 20 74 34 169 293 144
心エコー 4,590 4,937 4,686 983 925 881 58 34 33
腹部エコー 1,249 1,246 1,297 36 40 65 1 0 1
頸動脈エコー 2,032 2,214 2,264 2,311 2,215 2,096 5,393 5,295 4,737
その他エコー 747 715 1,102 57 73 50 0 0 0
呼吸機能検査 1,254 1,351 1,159 168 190 224 19 10 251
ABI 3,224 3,478 3,185 676 796 688 2,550 2,992 2,812
SAS簡易検査 53 57 58 12 15 17 - - -
PSG 22 22 18 - - - - - -
術中モニタリング 96 97 84 - - - - - -

▲ページの先頭に戻る