ADRCs治療の特徴


 美容領域はじめ多方面の再生医療で汎用されるアプローチです

ADRCsとは脂肪由来再生(幹)細胞のことで、皮下脂肪組織から脂肪細胞を除いて得られる脂肪由来の幹細胞を中心とした細胞群のことです。細胞培養はしない代わりに、比較的多くの脂肪組織(100~360cc程度)を脂肪吸引で採取し、セルーション(2010年1月 国際特許 7429488号 取得)という専用の医療機器を使ってわずか2時間で投与用のADRScを調製します。これを静脈または局所に投与します。細胞培養と比べれば幹細胞の数は少ないですが、幹細胞以外にも血管内皮前駆細胞等様々な細胞を含むことが知られており、これらが協働して効果的に働くと考えられています。


患者様ご自身の幹細胞なので高い安全性が期待できます

幹細胞には患者様ご自身の細胞である「自家細胞」と他人の細胞である「他家細胞」があります。当院の治療は、自家細胞を使うので拒絶反応などの可能性は低く、他家細胞と比べて安全性が高いといえます。その一方、患者様ご自身の幹細胞であるため個性があり治療効果に影響する可能性があります。またADRCs治療では比較的多くの皮下脂肪を材料として必要としますので、皮下脂肪が極端に少ない方ですと十分な量の脂肪吸引ができないことも考えられます。


日帰りの治療が可能です。

ADRCs幹細胞治療は幹細胞を培養せずに、比較的多くの脂肪組織から幹細胞を含む細胞群を濃縮し、点滴による静脈投与または局所投与のいずれかの方法で投与します。患者様は施術の当日お越し頂いて、脂肪吸引、セルーションによるADRCsの調製と投与までおよそ3~4時間で終了します。投与後はお帰り頂けますので、日帰りの治療が可能です。


治療のメカニズム

組織再生におけるADRCsの治療のメカニズムにはADRCsが産生するサイトカインと呼ばれる物質が、投与部位周辺の細胞や組織に影響を与える効果がメカニズムの一つの大きな特徴と考えられています。

ADRCsは疾患・損傷部位からの刺激に応じて必要とされるサイトカインを放出すると考えられ、それらは血管新生、免疫系の修飾、抗細胞死、抗酸化作用などを発揮する可能性があると考えられています。その他にもADRCsに含まれている幹細胞そのものが分化することや、またADRCsが疾患・損傷部位にもとから存在する幹細胞を活性化するなども研究の結果から示されています。

参考

サイトリの技術 | Cytori Japan