慢性期の脳梗塞後遺症が改善し独立歩行が可能となった一例
患者様の情報
患者様:70 代 / 女性
治療法:脂肪由来幹細胞治療(培養)
治療までの経緯
2013年に脳梗塞を発症されました。主に左片麻痺や左肩疼痛、歩行バランスの低下の症状がありました。地元病院で急性期の治療後、回復期に転院。その後継続して、地元病院で週2回外来リハビリテーションを実施されていました。細胞投与をされる前の状態は、自立歩行は困難であり車いすが必要でした。テレビのニュースで孝仁会の再生医療を知り、再生医療を希望して受診されました。
治療内容と経過
発症後3.5年経過時点で培養した脂肪由来間葉系幹細胞を静脈投与(単回)で投与され、2週間の集中的なリハビリテーションを行いました。その結果、機能障害評価として実施したFugl-Meyer Assessment(注1)において、1 ポイント(上肢0ポイント、下肢1ポイント)の改善があったと判断されました。さらに、この1ポイントの改善からは想像できないような大きな変化が現れました。
幹細胞投与前には介助無しでは杖歩行も困難でしたが、幹細胞の投与2週間後には介助なしで自立して杖歩行を行うことができるようになりました。10mの歩行速度は、投与前で160秒(介助付き杖歩行)かかっていたのが、投与後は92秒(自立杖歩行)と大幅に向上していました。さらに、投与後には左手の拘縮(注2)が軽減され立位姿勢の進展度が増しました。
歩行には介助が必要であり、10mの歩行に160秒かかっていました。
介助なしで杖歩行ができるようになりました。10mの歩行に必要な時間は92秒と大幅に改善しました。
【用語解説】
(注1)Fugl-Meyer Assessment…片麻痺患者の 身体機能回復を運動機能やバランス、感覚などさまざまな面からテストする機能障害の評価方法。 上肢下肢あわせて100点満点で、点数が高い方が回復傾向であることを示す。
(注2)拘縮…怪我や病気などにより長期間身体を動かしていない状態が続くことで関節が硬くなり、動きが悪くなる状態。