再生医療の事務局を担当している勇です。
日本脳卒中学会から9月26日に発表された『脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017]』では、「脳血管内治療」が脳梗塞急性期治療の推奨グレードAに認定されたそうです。
これまで、脳梗塞に対する治療の第一選択となっているのは、血栓を溶かすt-PAという薬を静脈から点滴投与する方法で、これは2006年から始まっています。ただこの治療は4.5時間以内の投与という時間的な制約がありました。今回、グレードAとなった脳血管内治療は発症8時間以内、t-PAでは適用ではないとされた「脳出血の既往がある」「脳梗塞の範囲が広い」といった場合でも実施することは可能となっており、2015年春の国際学会でも有効性が示されていた治療法です。このたび脳卒中学会でグレードAに採択されたことにより、脳梗塞を発症した患者さんをひとりでも多く救うことが可能となると思われます。
このようなニュースを見ると近い将来、幹細胞治療も脳梗塞治療の選択肢となっていくのではないかと期待するものです。それにはまず、実施している機関で一定の有効性や妥当性が示されることが重要だと思われます。
治療の有効性という点では、当院では幹細胞投与の効果を投与後2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年と来院していただき検査とリハビリの評価で効果(有効性)を測定しています。もちろんその際には、患者さんに幹細胞投与による副作用など異常は起きていないか安全面からも調べるようにしています。
リハビリの評価では動画で撮影を行うようにしています。これは幹細胞投与前後の状態を記録するという意味と評価をより客観的に測定するという目的があります。
患者さんの中には、定期検査での来院時にどのような変化があったか、どのようなことができるようになったかを書いて持ってきてくださる方がいらっしゃいます。再生医療を受けて良くなった喜びが行間から溢れでてくるようで、こんな時はこの仕事に携わることができたことをうれしく思います。