マンモスの培養肉!?

スタッフのブログ

こんにちは。培養士の山田です。

4月になり、釧路にも段々と春の陽気が感じられるようになってきました。

今年は例年より暖かくなるのが早いそうですし、毎日の気温差が大きいので体調管理にはより一層気を付けて過ごさねばと思っています。

 

最近、培養肉や培養サーモンなどが将来的な食糧不足やSDGsの関連からも注目されています。

そんな中、「マンモスの培養肉でミートボールを作った」というニュースが出ていました。

オーストラリアのVowという培養肉会社が、マンモスのDNAを使い細胞培養技術を用いて作り上げた物で、安全性の担保が出来ていないので食べることは出来ていないそうですが、ワニ肉のような香りがしたそうです。

なんでマンモスだったのかについては、マンモスの絶滅の理由から気候変動や環境について、考えるきっかけになってほしいという思いからだそうです。

 

日本でも培養肉を研究する産学連携組織「培養肉未来創造コンソーシアム(共同事業体)」が設立されたそうで、3Dバイオプリンターを使って肉の構造を再現し、生産から出荷、販売までのノウハウを研究する組織のようです。目標としては2030年の販売、2025年の大阪・関西万博で試供品の提供を行うことを目指しているようです。

この日本の培養肉は「3Dバイオプリンター」という技術を用い作られているのですが、自動培養装置を使って筋・脂肪・血管の繊維状にした細胞を合わせて一つの塊を形成します。この技術が進むと、組織や臓器を作る際にも応用が出来、再生医療や創薬の発展も期待されています。

 

当院では再生医療を行うにあたり、同じ培養でも食用肉ではなく「間葉系幹細胞」という細胞を培養し治療に用いています。

患者様の脂肪から細胞を取り出して増やしていますが、培養方法は自動培養装置ではなく、培養士が手作業で培養を行っています。

各細胞の状態を確認しながら、適切に培養を行っています。

詳しい培養のお話は「細胞培養加工施設」のページを閲覧していただけると幸いです。

これからもより良い状態の細胞を患者様にお届けできるように頑張ります。

 

当院の再生医療についてのお問い合わせはこちらから。

〈主な参考記事〉

FORGED https://www.mammothmeatball.com  

Wild type https://www.wildtypefoods.com  

島津製作所 プレスリリース 大阪大学・島津製作所・伊藤ハム米久・凸版印刷・シグマクシスが
「培養肉未来創造コンソーシアム」を設立 研究推進拠点を大阪大学にに設置

https://www.shimadzu.co.jp/news/2023/83je62u99407i80v.html