こんにちは、再生医療室の杉本です。
当院では脳梗塞や脊髄損傷などを対象とした再生医療を提供しております。患者様ご自身の脂肪組織から間葉系幹細胞(MSC)を取り出し、体外で増やした後にまた体内へ戻してあげるといった治療です。私はその流れの中の体外で MSC を増やす部分を担当する培養士として働いております。今回は MSC を用いた治療において、MSC がどのように働くことで治療効果が期待されるのかということについて簡単に書きたいと思います。
MSC は体内でどうなっている?
例えば、投与または移植された MSC が損傷した軟骨部分で、軟骨に分化して置き換わることで修復されるのか?
MSC にはいくつかの細胞に分化する能力があります。
文中に出てくるキーワード
「分化」
国際細胞・遺伝子治療学会(ISCT)では治療に用いる MSC の定義として、
サイトカインとは細胞から分泌されるタンパク質で、細胞間相互作用に関与する生理活性物質の総称です。
30~100 nm 程度の脂質二重膜の小胞。その中にはタンパク質や miRNA がその中に含まれており、ある細胞からエクソソームが分泌され、他の細胞に取り込まれることで細胞間でタンパク質や miRNA のやり取りをしている可能性が考えられています。
マイクロRNA(miRNA)はタンパク質の産生など細胞へ影響を与える分子です。