みなさんこんにちは、再生医療室の梅田です。
当院の細胞培養加工施設では年に1度のメンテナンスを5月9日から行っています。今回のブログではメンテナンスについて簡単にお話ししようと思います。
現在、治療で使用している幹細胞は当院のCPCで培養を行っています。CPCの中には菌や微生物が空気中に漏れることを防ぎ、かつ無菌作業も行える装置である安全キャビネットや、細胞を培養する際に温度を一定に保つことができるインキュベーター等、様々な設備があります。また室温、湿度、室圧、浮遊微粒子を24時間モニタリングすることができ、室温、湿度、室圧を一定に維持できるようにコンピュータ管理されています。
培養を行う CPC には高い水準の管理体制が求められており、そのため当院の CPC においては医薬品の製造や品質を管理するための法律(GMP省令) に準拠した管理を行っています。
このGMP省令にはバリデーションの条項があります。バリデーションとは、「製造所の構造設備並びに手順、工程、その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることによって、目的とする品質に適合する製品を恒常的に製造できるようにすること」を目的としています。
当院のCPCのメンテナンスで行われるバリデーションは、細胞培養加工施設にある安全キャビネットやインキュベーター等の培養関連機器や空調機器、保存機器等が正常に稼働しているかを確認します。またバリデーション以外にも、コンタミネーション(雑菌等の混入)の原因となるチリやホコリ、菌などそれらを安全なレベルまでに消毒、除塵、そして滅菌するサニテーションを行います。
バリデーションやサニテーションを行うことによって、CPC内の清浄度を高い状態で保つことができ、治療を目的とする幹細胞を恒常的に培養することができます。
メンテナンスは5月末に終了し、6月から通常のスケジュールに戻る予定となっております。メンテナンスのためお待ち頂いた患者様から順番に細胞培養を開始致します。ご不明な点はお電話またはお問合せフォームからお気軽にお問合せください。