みなさんこんにちは!! 培養士の山田です。
4月に入り、沢山の新入社員たちが当院に入職しました。
フレッシュな空気に触れて、春が来たと感じていましたが、
なかなか釧路の天候は安定せず、未だに雪がちらつく日々が続いています。
話は変わりますが、公的さい帯血バンク(許可を受けた非血縁間のさい帯血バンク)以外の事業者による不適切なさい帯血の提供を禁止するため、「造血幹細胞移植法」が改正され、平成31年3月14日から施行されました。
今回のテーマとなるさい帯血ですが、公的機関において初めて非血縁者間さい帯血移植が行われたのは1997年でした。2013年には非血縁者間さい帯血移植が10,000例を超えたとの報告もあり、今もその数を増やし続けています。以前から「造血幹細胞移植」という名前で行われていた立派な「再生医療」の一つです。
昨年、経営破綻したさい帯血プライベートバンクから流出したさい帯血が販売され、国に無届で違法な再生医療に使用されるという事案が発生しました。
さい帯血を扱うバンキングを行う機関は、公的バンクとプライベートバンクという2つに大別出来ます。
公的バンクは採取から引き渡しまでを一貫して管理し、無償で提供されたものを、白血病などで移植が必要な第三者などに造血幹細胞移植用などとして、細胞の提供を行うことが出来る機関を言います。
プライベートバンクは個人の依頼により、採取から引き渡しまでを一貫して管理し、必要になった際に造血幹細胞移植及び再生医療などに本人または親族が用いる為に、有償でさい帯血を保存する機関を言います。
上記の事案からの問題点は、
①経営破綻したプライベートバンクに預けてあったさい帯血が第三者が用いる為に他の業者の元に渡り医療機関へ販売されたこと
②再生医療の法律に則った国への届出を行っていない医療機関にて実際に第三者に再生医療とうたってさい帯血が使用されたこと
そしてその①番について、改正前には取り締まりの対象とならなかったことが今回法改正を行った大きな一因となりました。
事案発覚当時は連日ニュースにて取り上げられ、残念ながら「再生医療」についてマイナスイメージを持った方もいらっしゃったかもしれません。一部の不適切な運営を行った事業者や医療機関の影響で「再生医療」自体が悪だと思われてしまうのはとても悲しいことです。
プライベートバンクについては調査が行われ、現在2社が厚生労働省へ届出・報告を行っている事業者としてHPで公開されている状況となっています。
再生医療については、先日再生医療学会において「再生医療ポータルサイト」が立ち上げられ、きちんと国に届出・報告を行っている機関について確認がしやすい体制が整えられつつあります。
そして最近では新たに再生医療等製品が承認されたという嬉しいニュース(前回のブログでも取り上げました:再生医療の製品も増えてきています)が色々聞かれるようになってきました。
二度と同じような過ちが繰り返されることなく、安全であることを大前提に新たな再生医療の恩恵が出来るだけ早く患者様の元に届いてほしいと思っております。
当院で行っております再生医療については他のページに詳しく載っておりますので目を通してもらえたら幸いです。
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